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はかる

​コロナ放電を使って物体の表面の一部を帯電させ、その部分もしくはその周囲の部分の表面電位を測定することにより、その物体の表面抵抗や体積抵抗を非接触で測定する方法とその応用に関するテーマ群です。静電気力を用いた重さの計測も行っています。

非接触表面抵抗率測定

グリッド式コロナ帯電装置と表面電位計からなるセンサーにより、10の9乗から15乗Ωの表面抵抗率を測定する方法を開発しました。(特許取得済み)半導体から絶縁体の高抵抗領域を非接触で測定できる方法としては世界発となります。IEEEより論文賞もいただきました。現在は、10の9乗以下までその測定可能範囲を広げるための検討を行っています。

​樹脂材料のぬれ性評価・劣化評価

上記の表面抵抗率測定装置は、高抵抗領域が測定できますので、本来絶縁性が高い樹脂材料が劣化することによって表面抵抗が低下するのであれば、その劣化状態を定量化することができます。例えば、シリコーンゴム樹脂は、新品であれば撥水性が高い絶縁体ですが、紫外線やプラズマ等で劣化するとぬれ性が向上し、ぬれやすくなります。ぬれやすくなると、大気中の水分を表面に吸着しやすくなりますので、表面の絶縁性が低下します。表面抵抗測定により、その劣化状態が検出できることを確認しています。現在は、その他の樹脂材料における劣化の定量評価について検討を行っています。また、電力用がいしに利用されているシリコーンゴム材料の汚損状態や劣化状態を検出する方法についても検討しています。

塗膜の硬化度測定、膜厚測定

自動車のバンパーなどのようなプラスチック材料に塗装された材料の膜厚を測定する方法は、電磁的なセンサーを使うことができないので、塗膜を削り出して顕微鏡で観測するという破壊試験を行っています。本研究では、塗膜の表面にコロナ帯電を行い、その点の電位を測定することによって、塗膜の膜厚を測定する方法について検討を行い、200μm以下の膜厚測定が可能であることを見出しています。さらに、塗膜の硬化状態が電気抵抗に依存することを利用し、硬化状態の定量化も行う方法についても検討しています。

静電気力を用いた質量差測定器

物体が帯電すると静電気力が働くため、微小な質量の物体に対しては質量の測定に影響を与えます。そのような微小な質量を正確に測定するには、静電気を除去する装置が必要不可欠になります。当研究室では、特殊な除電装置を開発していることから、質量測定への応用を検討しています。さらに、静電気が微小な質量測定に影響を与えるなら、静電気力で微小質量を測定できるはずと考えました。基準となる物体と測定対象の物体との微小な質量差を測定できる装置の開発を狙っています。

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